テレビの取材が入り進めている東方美人作り。

昨日のお昼前から作り始めているのだが、実は一度目の撹拌を入れたのは今朝の8時。

実に工場に持ち帰ってから23時間後である。

東方美人の撹拌の様子

数種類、何パターンかあるうちの東方美人の撹拌 注:殺青をしているわけではありません

並行して作っていた烏龍茶は東方美人より後に工場に生葉が届いたのにもかかわらずもうその時間には仕上げ作業に入っていた。

烏龍茶は勿論だが、その中でも東方美人という茶は本当に時間と根気が必要な烏龍茶です。
焦って作業をしたらそれは製品に表れるし、急かして作るとそれもまたしかり。

今日は午前中に雨がやみ少し晴れ間ものぞいたりした。
烏龍でも東方美人でも葉内の水分をどのように抜いていくのか、いけるのかが一つの大きなポイントになる。

東方美人の室内萎凋風景

太陽が少し出ましたが茶葉の状況を考えそのまま室内での萎凋をすすめました

今回のような天気の場合、室内で長時間静置した茶葉ををもう一度外に出したりする人もいるのだが、水分を抜いていった生葉の状態、水脈などを考えると自殺行為に近い。
一般の方にここまで理解を求めるのは難しいので考えなくても良いことだが、茶業関係の方で「茶」に対して真面目に向き合っている方ならこれは理解できる話だと思う。

現地にて多くの方の東方美人の現場を見てきたが、多くの方が人の都合にあわせたものを作ろうとしている。
本当にわかっている人はそのようなことをしない、お茶が見えているからでしょう。

焦らず、急かさずこの辺の正しい判断というのが東方美人の品質を大きく左右する。
要するに茶葉の中でどんな変化がおきどのような状態になっているのかイメージ出来て、尚且つそれが正しくなければ良品は生まれない、天気云々を語るのはその次でしょう。

言葉で書くのは簡単だが、この的確な判断を出来る方は本当に一握りに限られる。
故に、東方美人の良品は数が少ない。
まして一季節茶であり、一地方でしか作られない訳だから「ホンモノ」と呼べるものはどのくらい少ないものなのか想像がつくでしょう。

もうすぐ夜12時を回りますが、殺青も終わり、今乾燥をかけています。
出来としてはかなりの良品になっています、今シーズンうちの農家で作ったものの中でも数えるうちに入るでしょう、出来上がりが楽しみです。

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