東方美人の季節が近づく中で今日はある方が来てくれた。
僕らは畑で茶を作り、一季節茶として東方美人を作るのだが、お客さんは東方美人など茶の研究を生業とする方。
まだまだ未知の世界が多い、東方美人、ウンカに対して農民が知りえない情報を得る為のチャンスだ。
東方美人はウンカの吸汁があってこそできる烏龍茶なのだが、その全貌はまだ未解決の部分が多い。
僕がいる農家では先祖代々から試行錯誤し畑の作り方や製法、色々な点を改良して今日に至っている。
しかし、やはり人間の目では確認できない部分というものの方が遥かに多い。
吸汁の痕は目で確認できるのだが、それが葉の中でどのように広がったり、ウンカがどこを狙って吸汁しているかなど…とにかく経験から推測している部分がある。
このような点をつきつめてみていく為には正直、農民が幾ら頑張っていても無理な部分が多い。
そういった点から見ても今日はとても有意義な一日でした。
まず、畑へ案内し、ウンカの状況や畑の管理、茶樹や品種について相方から色々と説明する。
研究されている方は農民ではないので、それは逆にあちら側の方も気づく点が多いようだった。
一通り畑を見た後はその方と一緒に近くの茶芸館へ。
ここで色々な茶を飲みながら東方美人についてかなり深い話を…。
東方美人という烏龍茶は製茶も畑の管理も難しく、そして多くの農家はその情報を他には出さないことが多い。
研究者の方も、まだ世の中に出ていない情報をもっていたりする。。
話しているうちに自分達が想像していた部分について、「やっぱりな」と思ったり「そうなんだ…」と思ったり、とにかく発見が多い。
そして発見が多いということはまだ未知の部分が多いということだ。。
昔の東方美人と今の東方美人は少し違うし、そしてこれから先もおそらくかわっていくと思う。
今日かなり深い話をしていて改めて思ったのは、東方美人という烏龍茶はまだ「完成」には至っておらず「発展途中」だということです。