最近色々なつながりが出来、茶を頂いたりする事もある。
そして評茶を頼まれたりすることもある、自分自身の勉強にもなるのだが最近凄く思うことがある。。
それは、テイスティングなどにするにあたってやはり土づくりの大切さを凄く感じることだ。
僕が住み込んでいる農家では東方美人を作るということもあり、有機という形をとっている。
誤解のないように言っておくが僕は茶商としての立場をとる時には有機のみという立場はとらない。
ただ、自分が一農民になるとしたらきっと有機を選ぶとは思います。
僕の家では製茶云々の前に耳が痛くなるぐらいまで「畑、土…」と言われる。
理論としては簡単で、まず良い生葉がとれなければ腕があっても良い茶は作れないということである。
腕の良い茶師であっても生葉にないものを引き出すことも生み出すこともできない。
だからこの考え方は当然といえば当然です。
しかし、実際はかなり奥が深い。
有機の認定だけとり有機だから雑草が生えますという農家は山ほどいるがそれは話にならない。。
雑草は生えるものだが生やす意味があり、沢山の役割を与えられている。
処理をするのにもその時々で方法が違いかなりの知識も必要とされる。
うちの畑ではもっと数えきれないことを実践していて、見学しただけでは到底わからないことがとにかく多い。
5年前に初めて来た時にはこの畑の管理には謎ばかりだった。。。
しかし、住み込んで土づくりから製茶まで一貫してみていくと本当に理にかなっている。
全てにおいて理由があり、それが緻密につながって製茶にまで結びつき、一貫した矛盾なき概念がありブレがない。
そしてこの農家にいる以上、この概念への理解が必要となる。
5年程無我夢中で学んできたが昨年あたりから徐々にその整理がつき、土作りから製茶までの一つ一つの意味や工程の意図を紐解き、シンプルに考えられるようになってきた。
そうなると不思議なものでお茶というものが見えてくる。
僕は農家で特別にテイスティングなどを学んできた覚えはないし、事実ない。
勿論もっともっと奥深く学んでいかなければいけない事は今現在も山ほどあるのだが…
でも、毎日、茶として完成されたものを飲み、飲み比べ、畑に出て土に触れ茶樹を観察し、製茶もし、一つ一つを理解していくと自然と沢山の理由と結果がわかってくる。
香りや味云々の前に茶として成り立っているのか。
その上でどうなのか。
畑の管理ミスはあるのかないのか。
その問題点はどうしたら改善でき、根本の問題は何なのか。
当然と言えば当然だが茶湯にほぼ全てが表れてくる。
台湾に来た初期、4~5年前に一度大先生にテイスティングを勉強したいと言ったことがある。。
その時に笑いながら返ってきた答えが
「そんなの畑に出ていればわかる」
最近、色々な茶を飲むようになった時に頭に蘇ったこの一言。
おっしゃる通りでした。