一時帰国してから東京近辺にずっといたのだがやっと静岡に帰省。

といっても、いきなり実家へは帰らずお世話になっている地元のお茶関係の方と静岡の山間地へ入る。

静岡

新幹線でまずは静岡市へ 三島〜新富士間から見える富士山、やはり見ると心が落ち着きます

僕は静岡の生まれで実家もあるので日本茶には小さい頃から親しんできたし大好きだ。
一応、日本茶インストラクターの資格もあるし、実は日本茶の業界に入りたかったのだけれども拘りをもつところへ入るつてがなかったり…

当時から将来的に烏龍や紅茶を扱うようになりたいと考えていたし、自分の中に「茶」の垣根がなかったので、若く自由がきくうちに土作りから「茶」を徹底的に見れる理想の条件が整っていた台湾の農家を選んだといういきさつがあります。

最終的に「茶」として成り立つ為に重要な部分は日本茶も烏龍茶も一緒だということは後からわかったのだが、僕みたいに先に台湾茶を学びその共通点を日本茶に探すという方は日本茶業界の方にはいないタイプなので、ある意味よかったのかな?
と思う部分もあります、ポジティブにとらえれば「破天荒」ということでお許し頂けるかと…(笑)

前置きが長くなりましたが、お世話になっている方と静岡駅で待ち合わせてそのまま山間地へ。
山の奥へ奥へ進んでいく訳ですが、去年の台風で崩れた被害がのこって通れなくなっていたり…凄いところへ来たなといった第一印象でした。

山間地の畑

静岡市内の山奥の茶畑 よくここに作ったな…といった場所

まずは工場によって軽く挨拶をしてから畑を見学。
台湾で畑も管理している身からすると、よくこんな斜面に畑を作ったなぁ…と。。
台湾でも同じように高山で似たような畑はあるが、高山地区に茶区が広がったのには商業的背景が大きく関わっており…出来上がるものに関しても疑問をもつものが多い為に期待はさらに膨らむ。

話をしながら一通り畑を見て工場へ。
今回運よくタイミングがあいこの工場を案内して頂けたのだが、以前から日本の茶園や工場を見て色々と確認したい部分がありました。
知り合ったのはだいぶ前ですが日本茶と台湾茶の共通点や色々な事をメールでやり取りをし確認している方なので当然信頼はしており、その方とお付き合いのある工場なので期待はしていましたが…

僕より知っているのは勿論なのでこのような言い方は失礼になってしまうかもしれませんが、凄くお茶を理解されている方達だなと一瞬で思いました。

日本茶の工場

工場の中、働いている方の雰囲気でお茶のレベルはおおよその検討がつきます

畑の土や葉の状態、工場内部や作業中の目線、何を気にかけているのか、またその動作を見ているとだいたいどのレベルでお茶を作るのか想像がつくものです。

そして実際に話を聞いていても間違いなくトップレベルにいる人達だろうなと。。

日本の煎茶での蒸しと烏龍茶の殺青は同じことを意図しますが、そこで…
工場の方:「わかってねぇ人が多いけどここは~で…だろ!?」
僕   :「はい、その通りだと思います。」
工場の方:「だよな!?向こうでもこの大事な部分は一緒ら!?(笑)」
僕   :「はい、ただ向こうでも理解している人は少ないです…」

些細な事かもしれないが日本の生産者の方とこんな会話が出来たことが嬉しかった。
自分がお世話になっている農家の理論や勉強したこと、感じていた事は間違っていなかったし、やはり大事な部分というのは一緒だということを改めて確認できた。

そして、自分が台湾で勉強したことを日本茶に置き換えて考えられることも確認できたし、機械をすこし改造していたりしたのだが、それもすぐに意図が把握でき、納得もできた。

蒸した後の葉

蒸した後の葉、これを見て台湾で少しひっかかっていた部分がすぐに解決しました

その延長で熱の入り方や水分の考え方や捉え方の話をして頂きとても勉強になりました。
工場で蒸しおわった葉を手にとって状態を確認してみると使っている道具は違うにせよ僕が台湾でやっている時の感触と同じだなと実際に感じることが出来た。
この葉に熱が入った時の葉ざわりというのだろうか…ここは台湾で製茶していても気になっていた部分があり、そこを実際に確認し解決できたのは本当に大きい。

荒茶

最後に荒茶をチェック 途中何度も何度もチェックしているのでこのようにちらかっているのが工場の普通の風景でしょう、僕の農家も一緒です

この日はかなり変わった茶を作っていましたが、最後に出来上がった荒茶を試飲して静岡市街へ。
出来は美味しい不味いとかの世界ではなく…

摘み取った葉の特徴もあり、色々な味が細かくまじりあっていて複雑なお茶だなという印象はありましたが、色々なものが色々な方向へ向かっているわけではなく、一点にむかって集まっていっているので違和感がないし、そして個性がある。

「これは日本人にしか出来ないし、日本人の仕事ですよね」
とニッコリと笑みを浮かべていえるお茶であり、茶を読める方が作ると本当に魅力のあるものが出来るな…と心から思わせてくれるものであり、とても勉強になりました。

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