知り合いの方から連絡が入り、2011年夏の蜜香紅茶を送った。

「お茶会」に使うものでいいレベルがないとのことで問合せを頂いた。

テイスティングの結果も大満足だったようでこちらとしても嬉しい限りである。

蜜香紅茶

ウンカ芽で作られた青心大冇の蜜香紅茶

久しぶりに蜜香紅茶の封をあけたのでせっかくなので自分でも少し飲んでみた。
「蜜香」という名前の通り、ウンカの被害に起因した紅茶である。

ここ何年かで台湾では夏の紅茶作りが盛んになっている。

恐らく台湾の多くの地域でウンカは発生すると思われ、「蜜香」という紅茶や烏龍茶を作っている地域では被害も少なからず発生しているだろう。
ただし、「蜜香」と名のつく紅茶や烏龍茶でウンカの被害を感じられる甘みをもつものは残念ながら本当に少ない、あったとしても弱い。
これは恐らく、東方美人を作っている地域の方以外はウンカの吸汁の影響が茶葉に対してどのように表れるのか特徴を理解していないからだと思う。

ウンカ=東方美人=高い台湾茶
そのようなイメージがあるので、この恩恵にあやかろうと色々な地域から無理くりに出しているが現状はこんなものである。

蜜香紅茶の水色

蜜香紅茶の水色

一芯二葉

一芯二葉のウンカ芽

そんな「蜜香」と言われる烏龍茶や紅茶が多い中でこれはウンカの吸汁の被害が本当によく表れている紅茶です。
夏の新芽を使っても渋みがないのはやはり、無農薬でちゃんと管理されているからでしょう。
茶葉を見ても東方美人を作れるレベルのものを使っている。甘みが広がり、飲み込んだ後も舌の上で心地よく残る。
発酵して赤みのある茶葉だが光に透かすとウンカの吸汁の痕もハッキリわかる、茶葉の大きさとこの痕跡から吸汁の様子がわかる。

約半年ぶりぐらいに飲んでみたが製茶したばかりのトゲトゲしさがなくなり丸くなっている。
もう売り出してもいい時期だが、個人的には冷茶としてお勧めしたいので、もうしばらく熟成を進めます。

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