前日のブログでもうすぐ始まる茶のシーズンに思いをはせながら紅茶を頂きました。

これは昨年8月に、自分自身で手揉みをして作った蜜香紅茶。

手揉み蜜香紅茶

密香といっても、そこには差があることは知っておきたいところです

製茶時の記事は手揉み蜜香紅茶(青心大有) 其の一からご覧下さい。

最近色々な茶業関係者や研究されている方などと知り合い、話す機会が増えた中でとてもわかりにくいな~と感じている「蜜香」という言葉。

「蜜香」というのはウンカの吸汁にあった葉から製茶されたものに出る為、歴史的に見ても東方美人から来た言葉であるのは間違いないと思う。

ただ、最近ではこの「蜜香」にあやかった茶が多く出回っている。
この事自体に関しては特になんとも思わない。

ただ「蜜香」と言っても、上級の東方美人とその他のものでは被害の程度はかなり違うことはわかって頂きたいと思う。
今回僕が飲んでいるものも、東方美人に比べたら害の少ないものである。

東方美人は昔から一番のお金がなる茶だったのにもかかわらず畑管理や製茶の難しさから大陸や台湾国内の東方美人の新興茶区ではいまだに良品やコピーがなかなか作れない。
ただし、ウンカ自体は多かれ少なかれ台湾のほぼ全土で発生しているのではないか?と思う。
その為に「蜜香」を感じられるものは幾つか確認している。

ただ、やはり東方美人と比べたら被害は少ない。
でも、それは消費者には伝わらないし、売る側も東方美人より害は少ないですよ!というより、東方美人と同じウンカの害にあっています。
と言った方が売れるし、売りやすい為に現実は伝わらない。。

茶の市場が広がることを考えれば、手頃で蜜香が楽しめるものがあればそれに越したことはないと思う。
ただ、蜜香の被害に関しては明記する基準や決まりもない為に、さも上級の東方美人のようなお茶であるかのようなふれこみもあり、それは本当に残念だと思う。

しかし、東方美人農家にも悪い点は多くある。
需要に対して供給量が足りないお茶である為に、東方美人の季節を過ぎた後でも無理につくって質の悪いものがかなり出回っている。
そもそも東方美人というのは一つの季節茶であって、年間を通して良いものが作れるものではない。
しかし、茶の市場というものはピンキリあるのでこれも何とも言い難い。

需要に対して供給が少ない為にそこには「蜜香」と名のつく茶のチャンスはあり得るし、東方美人農家も悪い部分もあるし…

色々な問題が複雑に絡み合って消費者の方にとって「?」な部分が多くなってしまっているのがとても残念であり、現場にいてその状況がわかる身としては、ちゃんとお客様に対して伝えて販売していく姿勢というのは本当に大事だなと最近よく思います。

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