2012年の東方美人の品評会が近づいてきた。

今年も去年と同様全国大会として催されるようだ、全国と言っても桃園、新竹、苗栗、そして台北の農家しか参加しないのだが…。

この全国大会は恐らくこの先も続き、各県で毎年持ち回りになるのだろう。

東方美人の品評会ロット

2012年、東方美人品評会に出す為のロット

品評会へはあらかじめ家で決められた缶に各150g×40本を準備して出品、これが1ロットになる。
つまり、6キロがロットの単位となる。

うちでは今年4ロットを出品、これは本当に少ない数である。
確か去年は8ロット程だったと思う、その前の年まではかなりの量を出していた。

しかし、以前にも書いたがここ何年かの東方美人の品評会は形状を重視し、小さいものが評価を得やすくなっている。
その傾向は本当に茶樹にストレスをかける。
本来なら摘まなくても良い小さい芽を摘むということはそれ以上大きいものも全て摘むことになる為、新芽を根こそぎとることになる。

茶樹は新芽を出す為にもの凄いエネルギーを使う訳だから、根こそぎとられたら相当なダメージになるのは簡単に想像できる。
1年でもそのような年があると、次の夏茶やそれ以降にかなりの影響が出る。
それが何年も続けばストレスはたまる一方でやがて茶樹は死に至る、これは本当に大問題だ。。

評茶師の方はそれはそれで凄い方達でしょう。
細かな味や香り、その他色々と他の方では判別がつかないレベルのものを見極めていくのだからその裏にはもの凄い努力があったのもわかる。

しかし、彼らは主に改良所などの公の方で農民ではない。
畑への影響には気づいていない。。

今の品評会の流れは農民を角へおいやるような方向で、本来の茶業という一番大切な部分に目が向いていない。
僕の滞在する農家は評茶師や改良所の方殆どが知っている程のレベルを持つ農家で実際に認められているし、知り合いも多い。
品評会については何度も方向を変えるべきだという話もしてきたという。。

でも現状では何も変わらない。
さすがにこれ以上の負担が茶樹にかかることは自分達の首を絞めることになるので去年、今年と出品するロットを大幅に減らした。

東方美人の品評

先人達が作り上げて来たものを守り、絶やさず伝えていかなくてはいけません

考えを変えていけないのなら、トップグループにいる農家が他の農家や業界を守る為にも舵をとらなければいけない。
一トップ農家の出品数が一気に減ればあちらでも違和感なり気付く人もいるだろう。
これで今の流れが劇的に変わるかといったらきっとそうではないだろう。

年々加熱する優勝ロットのオークション価格やそれによって得られるお金や名誉…
お茶作りって本来そういうものではない。。

農民が誰の為にお茶を作るのか、そして本来の農家のあるべき姿がわかっていれば品評会を加熱させてブランド化し第二の凍頂を作る必要はないでしょう、人民の為になっていないのだから。

人それぞれ、農家それぞれに意見はあると思いますが、農家で畑に出ている人間として今回の判断には賛成します。

【一緒に読みたい関連記事】