一時帰国し、この機会に今年の東方美人を振り返ってみる。

簡単に結論から言ってしまうと…良い年だったと思う。

2012年オリエンタルビューティー

2012年の製茶風景、今年も色々と考えさせられました


去年の干ばつのような天候不良、そしてウンカの数の少なさからみても今年は悪くはない。
畑に出て様子をみたり畑の管理をしていても素直にそう思った。

東方美人というのは僕の住む桃園、そして新竹、苗栗が産地だ。
この三縣は縦につながっており、低い平野というか平地がずっと繋がっている。

北の桃園が悪くなかったのだからその下の新竹と苗栗もきっと同じような状況だったと推測できる。
恐らく今年はどこも出来がよく、品評会もレベルの高いものになるだろう。

全体的に見ると良いのだがこれを僕が滞在する農家だけで考えてみると…
まぁまぁの年だったとしか言えないだろう。

東方美人という烏龍茶を考えた場合、やはり手摘みになるのでそれも品質には大きく関与してくる。
今年は近所の個人的につながりのある手摘みさんではなく、手摘みさんをまとめているような方と組んで東方美人を作っていった。

2012年茶摘み

今年の茶摘み風景、茶摘みのおばちゃんの人数は増えたのだが新たな悩みが…


このような場合、何日に予約という形で予め日にちを指定しなければいけない。
自分達で雇う手摘みさんの場合だと雨がふれば延期など融通はきくのだが今年の手摘みさんをまとめている方の場合、他の農家との兼ね合いもあるので、雨でも決行しなければいけない。

今年はその難しさが出た。
ウンカの害はよく出ているものの、製茶日に天候に恵まれない…そんな日が多かった。
現代において、特に都市部に近い茶産地では摘み手の問題が大きくある。

自分の農家だけでは多くの人数を確保できない為、一日の産量は落ちる、でも融通がきく。
今年のパターンは摘み手を多く確保でき、一日の産量は出せるが融通がきかない。

本当に難しい問題である。
日本の関係者の方とも話をしたが同じような状況は日本でもあるらしい。

日本でも台湾でも生活はどんどんよくなり、仕事が増え、太陽の強い時に大変な思いをして不定期な茶摘みの仕事を選ばなくても仕事はいくらでもある状況だ。

この先5年、10年たった時にこの状況はうまく改善できているのか、本当に心配になります。
今年は製茶以外の環境を考えさせられる年となりました。。

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