台湾春茶後半戦が始まりました。

本日は青心大有と青心烏龍、二種を刈り取り。

混ぜて作っている訳ではなく別々に作ってます、両方とも小さな畑で量が多くないので、たまにこのような刈り取り方もします。

青心烏龍と青心大有

左:青心烏龍 右:青心大有

今回はうちの青心烏龍について書いてみようと思います。
青心烏龍と言えば、台湾を代表する品種といって間違いないでしょう。
日本茶で言えばやぶきたに相当するような全国的に作られている品種であり、凍頂烏龍茶や高山茶もこの種がとても多いですね。
(※凍頂烏龍には広義・狭義の意味が沢山あるので店主の見解です)

青心烏龍

青心烏龍の畑、樹高も高く収量も多いが毎回良い生葉がとれる畑

この青心烏龍、うちの地域ではそれほど多くありません。
やはり東方美人がメインの地域で、青心烏龍は東方美人の素材としてあまり適していないのが理由でしょう、といっても昔はそれなりにあったとは思います。

うちは小規模ながら青心烏龍の畑を持っていますが元々自分達で作った畑ではなく、茶農家の跡継ぎ問題などでやむなくやめることになってしまった方から頼まれて管理しているもの。
僕が初めて訪台した時からあるので、恐らく10年以上は見ているのではないでしょうか…。

青心烏龍の畑の様子

刈取り一週間程前の青心烏龍の芽、まだ熟す前ですね

そしてこの畑が凄い。。
勿論無農薬で肥料は一年に一度ぐらいしかやらないのに毎回良い生葉が出来る。
樹高は僕の胸元ぐらいまであり、普通なら茶樹の更新をしないと、新芽の出る数も多過ぎる為、栄養が充分にいきわたらなくなり、葉が小さくなるのが普通だ。。

青心烏龍の葉

青心烏龍の葉、肥料も少ないのに大きく厚く毎回ビックリします

ここの畑の葉はいつも大きくそして厚みもある、害虫の被害も殆ど見た事がない。
人が一生懸命管理し、肥料と水を与え生長を促しても青心烏龍でこんなに濃く大きな葉になるのは珍しいと思う。
肥料も他の畑に比べてやっていないし、スプリンクラーで水を撒いているわけでもない。
おそらく、茶樹と土地そのものが非常に強く、バランスも良い為である、このことしか考えられない。
茶畑の横に竹藪があり、持ち主が筍をとる為に少し掘り起こしたりしたあとがあったが、掘り起こされた後の土の形状から土の状態がとても良いバランスなのがわかる。

毎回様子を見に来る度に相方と二人で、凄いねぇ…という一言が出る畑であり、奇跡的な畑はあるものだなと見る度に思う。

製茶をしても毎回安定した香り味があるし、茶としての強さがある。
これ、凍頂のコンテスト向けに傾向を把握して作ったら上位いくだろうね…という話を相方とよくする。

自分がここの農家にいるから大げさに言っているのではなく…

青心烏龍の茶葉

この大きさ、厚さでここまで揃うのはあまりみかけません、最高の状態です

実際ここの葉の状態を凍頂のコンテストに毎回出している人がみたら喉から手を出してでも欲しいぐらいの生葉なのは間違いない。
少なくとも生葉の状態のまま売ってくれという人は沢山いるでしょう。

残念ながらうちでは
「自分の名誉ではなく人民の為に茶を作っている」
という、家訓のような大先生のお言葉があるので、あり得ない程の高い出品料を払い入賞すれば大きくとりあげられる商業主義的なものには全く興味がないし距離をおいている。。

ただ個人的には…
コンテストはどうでもいいとして、茶を標高やブランド産地だけで決めてしまう方には飲んでもらって感想を聞いてみたいなぁとは思います。

【一緒に読みたい関連記事】