数日前から続いている畑の管理再生の作業。
今日で終わらせようと朝早くから一人畑へ向かい順調に作業を進めていたのだが…
途中雨に降られ、木の下でやむのを待つこと1時間、先が見えないので断念してずぶ濡れになりながら帰ってきました。
あと2~3時間あれば畑の作業が終わったのに…と肩を落とし帰ってきましたが、天気は人間がコントロール出来るものではないので仕方がありません。
夏茶は遅れまだ始まってもいないのでこのような日は特にすることもなくなる訳ですが…
焙煎機に入っていた青心大有を相方とチェックを兼ねて飲むことに…
重焙煎をかけていったものだが一口飲んで普段とは違うことに気づく、それを察したのか
「これはお客さんからの要望で火香を入れたもの」
と相方が言う。
常々思うことなのだが、焙煎とは難しいものである。
火の香り、所謂「火香」というものだが、僕はこの香りがあまり好きではない。
お茶に対する考えは人それぞれ、扱う店舗によっても違うが、基本的には火香というものは僕の中ではお茶そのものの味や香りではないと思っている。
しかし、その地域で長くそのような焙煎が善しとされた為に好む方もいる、実際に台湾の有名茶区でもこのような焙煎が圧倒的に多い。
これは日本茶でも同じことが言えると思う。
相方自体もこのような焙煎はあまり好まない。
しかしお客さんからの注文なのでそれに対応はしている、本当に難しいものだ。。
僕は農家を離れ、日本に帰れば茶農家ではなく、茶を扱う者となる。
このような立場になった場合、自分は火香の強いものは取り扱わないと決めていればいいのだが農家は違う。
ただ、それも商売であるし、自分が生活する為にお金に換えていかなければいけない。
うちでは火香をいれた焙煎をしないし、しかし要望があれば応えないといけない…農家というのは本当に色々な葛藤があるのだろうな…と思ってしまった出来事でした。