台湾国内で作られている中国茶のお話です。
台湾で作られた中国茶というと「私は認めないわっ!」という生粋の中国茶ファンの方もいるとは思いますが、そのような拘りを持つ方の為に今日は書いてみたいと思います。
台湾へは多くの中国品種が流れ混んで来ています。
一番有名なものは木柵の鉄観音ですね、これはご存知の方も多いとは多いとは思いますが、元々は福建省安渓から移植されたものです。
他に上げれば佛手、梅占、水仙、白毛猴。
そしてごく少量ですが、八仙、肉桂、他にも多くの品種が持ち込まれ生産されています。
これらの品種の多くはかなり前に台湾国内へ持ち込まれたものです。
台湾には元々住んでいた原住民の方と蒋介石以前に中国から台湾へ渡った内省人、蒋介石と共に台湾へ渡った外省人といった具合に別れます。
台湾でのお茶作りは調べてみると原住民の方が1600年代半ばに開始、そして中国からの入植者、内省人の方が始めたのは今から200年以上前のことです。
上に上げた品種の一部は恐らくその年代近辺に持ち込まれているでしょう。
そして、この入植した人達の多くは台湾の対岸である中国福建省あたりから来た人が多いんですね。
福建省、その名を聞けば誰でも知っている中国における烏龍茶の一大産地です。
何一つない土地に来て生活する為には仕事が必要です、ですから福建省あたりから入った人達が先祖代々続けていたお茶作りや見てきたものを新しい土地で始めるのは自然の流れだと思います。
そしてこの時代の台湾は清(清朝)という中国の一部でしたから、茶樹の頻繁な入植があっても不思議ではありませんね。
途中、イギリスの商人により商売目的の入植はありましたが、歴史的背景を見れば多くは人の流れに沿って自然に入ってきたものだと推測できます。
そして真面目にお茶に取り組むことによって台湾茶は世界的なブランドに成長しました。
側面や細かい部分を見れば違う部分もありますが、日本が中国からお茶の技術を取り入れ、自分達なりに昇華して良いものを作り上げてきたイメージに似ているような感じです。
それでは一方で台湾から中国に入った品種はどうでしょう。
台湾品種の中国への流入は近年に起こっている現象です、これはもともと台湾では中国からの品種が多く作られていたことと、台湾の茶業改良所が設立され台茶1号が発表されたのが1969年ですから当たり前のことですね。
では流入する理由はどうしてでしょうか?
主に、青心烏龍、青心大有、金萱などが多く入っています。
青心烏龍は台湾やベトナムの高地で作られ台湾に輸入され台湾高山茶や凍頂烏龍茶として売られたりします。
金萱は純粋に優良品種なので中国国内に持ち込まれた理由はありますが、近年、広東省で金萱や青心大有を使って東方美人の製茶が盛んに行われています。
恐らく近い将来、高山茶に似たようなケースで台湾国内に持ち込まれることになるでしょう。
このような流れからわかる通り中国における台湾茶品種の流入はビジネスの面が多く、実際に台湾の茶農家が外国へ渡り現地の安いコストで生産し台湾へ売るというケースや企業家などの人達が現地の人を雇い生産し台湾へ流す場合が殆どです。
このように台湾と中国では互いに品種の行き来がありますが、その目的、背景は全く違いまね。
そして台湾国内における中国茶の生産は既に昔から根付いており、素晴らしく発展をとげているということです。
中国茶を例に挙げて話を進めてきたわけですが、大雑把に今日いいたいことをまとめると…
「中国茶」「台湾茶」「日本茶」「紅茶」分け隔てなく楽しんでいる方も多いのは招致ですが、そこで一線を置いてしまう人も居るのは事実です。
僕個人の意見として、「中国茶」「台湾茶」「日本茶」「紅茶」と分けるのは僕たち商売をする人がお客さんにわかりやすいように区別、ジャンル分けするものであって、お客さんはあまりそこに固執せず「お茶」として楽しんで欲しいということです♪
その方がきっとまだ飲んでいないお茶で美味しいものが見つかると思います、お茶なら浮気してもいいでしょう♪
明日はこの流れで台湾国内で作られた中国茶をご紹介する予定です。
追記
当ブログで何度か中国やベトナムで生産され台湾へ入ってくるお茶について書いてきました。
これは中国やベトナムのお茶や茶農家さんを批判している訳ではなく、そこで作られたお茶を台湾へ持ち込み、台湾国内で作られたものだと嘘をつき消費者を欺く行為をしている業者や茶商、店舗に対して向けられている言葉だということを誤解のないようにご理解ください。