金萱の畑で冬片が出ていることはお伝えしましたが、東方美人の素、ウンカ芽も発見しました♪
場所は同じく金萱の畑です。


以前、秋茶や冬茶直前の畑でウンカの状況は報告しましたよね?
台茶17号白鷺 ウンカ芽
GREENFLYと東方美人及びダージリン2nd

その際に僕の滞在している農家では1年中ウンカが出ると伝えました。
ただ、実際にこの時期でも出ているのは驚きでした。

最近は寒さが厳しく、温かくても20度前後、そして寒い時には白い息さえでるぐらいですから。
普通ならこの時期は冬の北風が入り、あまり見られません。

ですがこの畑は北風が入らないように作られている為、他の畑に比べ寒い時期でも住みやすくなっているようです。

そのような条件を考えると、ウンカは自然発生するものですが、発生しやすく住みやすい畑を作ることができる!
ということになりますね。

もちろん一番の発生要因は気候に間違いないのですが、人の手や考えが加わることで少しの変化はもたらせるということになりそうです。
というか、、、。
うちの農家ではそのような工夫がいたるところでなされています実は。。

でも、この工夫に気づく人はまずいませんし、聞く人もいないし表に出すこともありません。
言われてみれば「なるほどっ!」ということは多いのですが、理解するのには畑の管理方法だけでなく生態系を含めたもっと多くの知識が必要になります。

そして特殊な製茶技術を含めこの知識というものは先祖代々大事に積み上げられて蓄積したものです。

幾らネット社会が発達して過去何百年、何千年の文字情報が見られるようになっても人間が体で感じ、体内に蓄積されてきた経験やノウハウまではわかりませんからね。

高山茶ブームが起き、それに便乗して大陸やベトナムなどで模倣品が作られ見分けのつかないレベルで台湾に流れてくるようになりました。
しかし、東方美人だけははるか昔から一番の「お金のなるお茶」だったのにもかかわらず、いまだに模倣品や新興茶区で高いレベルのものがないのは特殊な製茶技術はもちろん、このような蓄積された知識や畑への工夫の欠如、自然環境や生態系への理解が進んでいないからだと思います。

要は…こうやって書き出してみると東方美人というのは単なるお茶ではなく、
自然環境への理解、生態系の把握や考察、先祖との絆といった人間が生きていく上で大切にすべき心(内的要因)と外的要因を茶師の中でどれほど整理・理解・融合し成熟させているのか問うているお茶にしか見えないのです。。

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