相方の体調回復せずに今日から青心大有の畑の管理に入っている。

一日で終わる作業ではなく明日も続くので畑のことは明日書くとして今日は2011年冬の三ロットのご紹介。

2011年の冬茶

あえてビニール袋で若干空気とふれあわせています、久しぶりの開封

店主日常茶として取り上げている青心烏龍、青心大有、そして翠玉。
毛茶と軽焙煎の間にあるようなお茶だが、初期に乾燥を強くかけている。

作りたてを飲む機会も少ないと思ったし、作りたての風味も知ってもらいたい為にずっと扱いつつも管理に気を配り落ち着くのを待っていた。
先月飲んだ時にはもうひと踏ん張りだな…と思い昨日久々にあけて試飲をした。

結果初期のトゲトゲしさがなくなり、丸くなり理想的な茶になっていた。
青心烏龍は香りコクともに良し、大有は初期の青さが抜け特徴である後味のコクが出てきている、翠玉は初期の口にいれた瞬間に来る強い花香が抜け、味を感じた後の残り香にそれがのっている。

ちなみによく良い烏龍は寝かした方がいいとか、いや、早めに飲んだ方がいいとか…色々言われますが…
品種特性、出来や状態、出したい風味など色々な要素が絡みあいますから、これが正解というものはありませんが、扱う方がそのお茶を理解しているかどうかの問題だと思って下さい。

台湾茶を売ったり、周りの方に飲んでもらったりする中で間違いなく確信していることは、日本の烏龍茶好きの方は香りや味のインパクトが茶の判断基準になっている人が多い、所謂印象に残るお茶だ。
それはそれで個性として素晴らしいものだし、台湾人のように日常的に飲める環境ではない為そこに行きつく理由もわかる、実際僕もそのようなものを多く扱っている、これは嗜好品として素晴らしい。

今回の三ロットはそのようなロットではない。
香り味が抜群に強いかと言われればそうではない、かといってない訳ではない。
強い個性や主張があるかと言われればそうでもない。
1年後に強く印象に残っているのかと言われればきっと多くの方の中では残らないのかもしれない。

口にいれると主張するでもなくしないでもない香味がほのかに残る、余韻が長い、意識せずに煎が進む、これが良いお茶です。

台湾の本当のお茶好きの方はこのようなものを日常的に飲む傾向がある。
それはうちでもしかり、僕も相方も先生も、今回のこのロットに関しては「これいいね♪」という一言がまず出て、何煎も進んだ。
勿論他の個性があるものも飲むのだが、強い主張がない為に身体が無意識に受け入れ一日中飲め、尚且つ茶として完成度の高いものです。

2011年冬のロット

久しぶりに開封して手にとると自分が製茶しているだけに思いもひとしおです

よく、日本の方に良い烏龍茶ってどんなものですか?とか…
烏龍茶の味を知る為にはどうしたらいいのか、また良し悪しを勉強するにはどうしたらいいですか?と聞かれることがある。
また、何年もお茶会を開いたり、好きで参加してる方からもお茶の良し悪しがわからなくて質問されるケースも多い。

本来ならここを通ってから嗜好品と呼ばれる世界へいけたら一番良いと思う。
この烏龍の良品としての味を知っておくと、香りや味に個性がある世界へ入っても基準が出来ている為に自分でおおよその判別がつくようになる。
台湾茶好きの方は割と多くいるのに根本を勉強できる環境があまりにも少なすぎる、本当に自分の出来る範囲で何とかしたいと思っている。

実際このお茶をネットだけで売ってお客様に届けても今の段階では反応は薄いのではと思っている。
7月に一時帰国があるのだが、その時に簡単なお茶会などを開いてこのようなものを実際に話しながら淹れる場を持てればと思っている。
時間的にバタバタするので難しくなったら完全に帰国する9月ぐらいにはなるのだが…。

僕は台湾の茶藝をやっている訳ではないし、一つの素晴らしい世界だとは思うのだが、僕自身がやることにあまり興味がないので淹れ方やお茶会の場も皆さんがやるような華やかなスタイルではないと思う。
こういうお茶会をして欲しいとよくリクエストをもらうのだがその内容を見ても僕に茶藝は求められていない。

まぁ、変わったリクエストも多くもらうのですが(笑)
出来る限り希望を受け入れたいし、その中で茶のことを一つでも多く学べるものが出来たらと思っております。

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