本日も大先生との製茶作業。

ここ何日か難しいブログになってしまっているが今日も…。。

殺青は魔物

殺青時はこの二台を僕が担当、大きさも若干違う為、設定も違います


このブログを読んで下さっている方は僕が主に殺青という作業を見ていることは知っていると思う。
烏龍は香りや味云々が良く言われるが実は製茶工程で一番重要なのは殺青である。

これは蒸し製の日本茶で言えば生葉を蒸す工程と一緒だ。
ちなみに烏龍の香りや味は殺青前の撹拌作業でほぼ作り出されるものであると考えてもらってよいと思う。

さて、この殺青だが一般の消費者の方はただ生葉に熱を通し、葉の酵素活性を止めているとだけ理解してもらえればそれで良いと思う。
しかし、実際に生産者の立場となってこの工程をするのには本当に苦労がつきものだ。

以前にも伝えたが葉と茎、両方に熱が入らないといけない。
茎だけ見ていると葉が乾燥してカラカラになるし、葉だけ見ていると茎には熱が通らない。
まして季節によって葉や茎の状態が違う。
もっと細かく言えば日によって、畑によって全く違う。

要は一度として同じ状態の葉を扱う事がない。
同じ畑でとれたものでも、殺青機にいれる量は限られるので、殺青待ちになっている生葉がある、それはその待機中にもどんどん変化をしている。

殺青の調整

速度、温度、時間、茶葉量、茶葉の状態…その他多くの事を見て微調整をかけていきます


ではどうしているのか…
殺青機の温度、回転数、葉の量、堅さ、時間…とにかく色々な部分を見て都度細かく調整をかけている。

この調整をうまくかけられるかどうかで「茶」として成り立つかどうかが決まる。
これは大袈裟ではなく、毎日畑に出て苦労して良い生葉を作っても、この殺青という数分の作業とその後の乾燥で運命が決まる。

烏龍というお茶がどのようなものか見え、整理出来てきたからこそこのへんの事に気づき、色々考えられるようになったのだが…勿論まだまだ足りない部分が多い。

既にお茶を学ぶという立場から生産者よりになってしまっている自分だが…これを作業しながら学べている事に今本当に感謝している。
そして有名産地や高山にいかなかった事で幅広い茶の種類、原葉の違い、それに伴う製茶方法をみれた事は本当に大きい。

自分の中で台湾茶の神髄は平地にありと思っているのだが、これについては後々また詳しく書こうと思います。

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