思いかえすと凄く忙しい一日だった…それに尽きる。
まずは早急に家の目の前の青心大有の茶樹の根本にたまってしまった土を掘り起こす。
せっかく育った葉が土に埋もれたら元も子もない。
元々、他の茶樹より管理が難しい青心大有、しかも昨日も伝えた通りここの畑は極端に生長も遅い為とにかく気を使う。
茶畑の作業も製茶の作業も個人的に一度も手を抜いたことはなく真面目に取り組んできたが今日はとにかく必死だった。
クワを休めず動かし暑さもありきついのだが、自分の子供と思っている茶樹が土をかぶっている姿を見たら休憩なんていれている暇はない、ギリギリまで自分を追い込んでも作業を進めた。。
もうほぼ気合だけで土を畝間にあげなんとか大丈夫だろうというところまでやり、次に金萱の畑へ向かう。
ここは僕が青心大有をやっている間に相方が畝間の雑草を刈り取りをしていた畑。
春茶が終わった後は耕運をかけ、東方美人が終わった後は掘り起こさずに雑草の上をきるだけ…実はここに畑の管理方法の工夫がある訳です。
畑の状態や季節など色々な条件で変わりますが、この細かな設定・考えで農家のレベルというのが図れる部分があります、今回のものどうしてこのようにしたかは言わないでおきましょう。
さて、ここの畑は少し前に僕が茶樹の根本の雑草の処理をしていますが、もう既に小さいものが出てきている為につぶせるうちにとこちらに移動した訳です。
ここでは小さなクワで生えてきたばかりの雑草をつぶしていく。
この作業が終わり今日は終わりでもよかったのだがもう一度青心大有の畑へ足を運ぶ。
茶樹数本に異常があったのが気になっていたのと、まだ太陽の光があったので、茶畑のまわりの雑草を抜くためである。
とにかく今後の為にやれることは全てやっていく。
無事に残った雑草も終わり本日終了、明日はまた違う場所にある青心大有の畑へ向かう。
以前、毎日毎日畑へ出て泥と汗にまみれ一農家にとどまってお茶を見ている僕の姿を見て
「畑よりもっと他の土地を回ってお茶を見た方がいいと思うよ?」
と業界歴が僕より長い方に言葉をかけられたことがある…
あながち間違った事でもなく、言いたいこともよくわかる。
でも、他の畑を見るのは今後いつでも出来る、今大切なのは一年を通した同一茶園の変化と茶を学ぶこと、基礎の徹底がなければ他を見ても意味がないと思っている。
こうして身体がくたびれるまで働いた日は自分が選んだ道は間違っていないなと思うことが出来る。
もう一年以上前の事だがその言葉を言われた時は正直、かなりの怒りがこみ上げたが口にも態度にも出さずただ悔しかったことを思い出す。
今同じことを言われたらきっと「そうですね♪」と余裕の笑顔で流してあげられる気がする。。
ただ、手の関節も曲がるし、こんなことを寝る前に思い出したり考えたりする余裕があるのだから、今日はもっと頑張れた筈だと思いながら眠りにつく。