8月も後半に入り、本来ならカラッとした抜けた暑さが特徴なのに天気がおかしい。

ここ最近夏の暑さに加え、ドカッとした重い湿度がつきまとっている。

部屋の中でさえ少し動けば汗がにじみ出てくるような気候、これが結構きつい。

天気の異常

気温も湿度も高い変な天気が続いている2012年の夏です


さて、夏茶も終わり秋茶に向け畑の作業に入っています。
本日は午前中は家での作業をこなし、午後から仕事をどうしようかといったところ。

秋茶に向けて肥料も入れないといけないし、雑草の駆除もあるしといったところでしたが…

蟻

窓の格子沿いに蟻が玉子や餌を…

蟻の移動

上へ上へと急いで運んでいる

帰国も控え荷物の整理などもしつつ部屋の前のパソコンで色々とやっていると目の前の窓の格子のところに蟻の大群が…。
写真はちょっと取り遅れましたが、パッと見、何百匹という蟻が上へ下へと一生懸命動いていました。
よく見ていると卵を運んだり、取ったであろう小さな昆虫の死骸などを一生懸命上へ上へと運んでいる。

これを確認した相方と僕はすぐに着替えて畑へ肥料をまきに行くことに。
実は蟻が低い場所から卵や餌を持って高い場所へ移動する時はその後に大きな雨が降ります。
蟻はその雨が事前にわかる為、巣が水浸しになる前に大事なものをもって避難しているんですね。

今日は雑草を獲るか肥料をまくかで悩んでいた訳ですが蟻が決め手で肥料になった訳です。
と言っても肥料をまいた後に大きな雨が降れば下手をするとその肥料が水で流されてしまう可能性もあります。
しかし、その辺のことまで含めて畑作りがされています。

金萱の畑へ肥料を

台茶12号金萱の根元に肥料を急いでまいていく


早速肥料をトラックに積み込み、去年の冬に台切りした台茶12号金萱の畑へ。
ここは前日に茶樹の根本の大きな雑草を抜いておいたのでタイミング的にも一番良い畑。

クワで彫り込み

茶樹の根元を軽くほぐす感じで…

クワで彫り込み2

浅く軽く…

肥料を袋から空け、専用の道具に入れ、畝間には入れず茶樹の根本にだけまいていきます。
サッと終わらせたところで今度はクワを持ち、茶樹の根本を浅くほぐしていきます。

僕が住んでいるいったいは赤土になりますが、これは茶樹には適した土壌。
吸水性の良い土壌ですが、放っておくとガチガチになり水は土の上を流れていきます、根本は手入れしているのでさほど硬くはありませんが、こうしてほぐす事によって水の吸水性と肥料と浸透度を高めます。

土をほぐす

このような状態にしてあげると雨で溶けた肥料が浸透しやすくなります


台湾は日本に比べて台風や豪雨といった大きな雨が多く肥料も流れやすいのですが、うちの畑では茶樹の根本がⅤ字になり一段階深い場所に儲けられています。
ここまで話すと推測はつくと思いますが、Ⅴ字にしている理由には幾つかありますが、その一つがこの肥料が流れにくくなるという点でしょう。

元々V字で流れにくくなっているところをほぐし、そこに雨が降り固形の肥料がとけ土に浸透する。
そして雨が適度に降ったところでやみ太陽が出る…この流れが最高です。

が…
茶畑の半分ぐらいの根本をほぐしたところで雨が降り始めだんだんと強く…。
結局最後までほぐしきれませんでしたがⅤ字にしてある分さほど問題はないでしょう。

本日の仕事は終了です。

今回は蟻がきっかけで肥料をまくことになりましたが、他にも鳥やその他の虫など、色々と合図を出してくれるものがいます。
単にお茶作りといってもやはりお茶だけを見ている訳ではありません。

やはり良いものを作る農家、生産者さんというのはそのまわりの状況や環境も把握し理解し、よく観察している印象があります。

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