夏茶が始まり数日が経つ。

去年は住み込んだばかりで体力的にもきつく、今に比べれば知識もまだまだなので色々と大変だった。

今年は体力的にも余裕があり、とても充実した日々を送っている。

夏茶の差

同じ夏の葉、同じ畑に同じ日に刈ってもこのようにバラつきが多くでます


個人のFBなどで書いたことはあるのだが、本来なら今年の東方美人を終えた時点で完全帰国する予定だった。
しかし、東方美人後の夏茶や畑の管理が一年で一番体力的にもきつい時期である。
お世話になった分、そこまで滞在して人件費などの件で少しでも力になれればと思っていた部分もある。

そしてもう一つが、自分の中で純粋にもう少し勉強をしたい部分があったからだ…。
特に去年暮れあたりからFBなどを通じて色々な茶業関係者の方と知り合う機会を頂いた。

僕が台湾の現場にいるということで日本茶との違いや紅茶との違い、色々と話をする機会を頂いた。
その中で自分の中で烏龍茶とはどのようなお茶なのかという事が更にいっそう見えてきた部分がある。

やはり世の中に出る情報というものはその方の商売も絡んでいることから良い話が多くなる、これは本当の事を伝えているのであれば別に悪い事だとは思わない。
所謂「負」の情報は出にくい訳だが、そこをちゃんと理解していかないといけないのが自分なりお茶関係者の仕事でもあると思っている。

夏茶殺青

上の写真のように差があるものを同じ殺青機にいれるとどうなり、その問題をどう解決しているのか…


烏龍茶って天候に左右されるんですよ?手間もかかるんです、だから美味しいものって本当にごく一部ですよ!!
実際そんな綺麗ごとの話だけではない。
過去5年間の勉強を通して、烏龍の魅力もマイナス部分も多く見えるようになってきた。

畑や製茶工程を見ているとそれがだんだんわかる、そして日本の製茶現場などと比較することによってそれはより一層理解できるようになる。
その中で、「これはこうなんじゃないのか?」という部分が自分の中で多く出てきた。

個人的に今年の夏はその辺の烏龍の欠点について色々と考えながら作業に取り組んでいる。
今年は水不足で葉の生長が遅いが、それでも一年で一番葉が徒長するのはこの季節である、この葉を機械で刈り取り烏龍に加工していく。
烏龍茶、特に台湾茶を取り扱う方は基本的に春と冬のものを好んで扱う為にその時期にしか現場へ来ない。

しかし、現場にいる限り、烏龍について色々と考える時にある一定の知識が身に付いて来たのなら夏茶を見るというのはとても勉強になる。
刈り取りの適期、葉の形状、その上での水分と殺青、そして乾燥など…理想的な烏龍茶を作る為に考えなければいけない問題がとにかく夏茶にはつまっている。
そしてその問題に対処する方法、道具の裏の意味なども見ているとだんだんとわかってくる。

残り一か月をきりましたが、夏茶までいて良かったと思うと同時に、最後のラストスパート、出来る限りのものを吸収して日本へ帰り還元していこうと思っています。

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