台湾から日本への一時帰国直前に品評会のロット作りをした。
品評会についてはブログなどで色々と言わせて頂いたが、やはりこの烏龍茶の将来が気になる…
以前のブログで今の品評会は葉の形状が重要視されすぎており、それが茶樹に過度の負担をかけていることはお伝えした。
そして僕の中で今年「おやっ?」と思ったことが二つある。。
一つは品評会の缶の大きさ。
左が去年、そして右側が今年のもの。
少し縦が長くなりサイズが大きくなったのがおわかりでしょうか?
東方美人の品評会というのはこのような決められた缶に150gが入れられ、40缶が一ロットになる。
出品する前に家で全て缶に入れ終えないといけない。
実はこの缶、去年までは小さすぎると苦情が多かった。
150gがこの缶に入らないと出品さえできないのだから、そのような農家のいい分はわかる。
しかし、うちの農家ではちゃんと入っていたし…
主催者側が缶を大きくし、出品ロットを増やし規模を大きくしていきたいような意図が見え隠れするのが気になる。。
二つ目が品評会の規模
去年は民国100年の記念の年だった為、東方美人の産地、桃園、新竹、苗栗、そして新興茶区の台北を一緒にして全国大会と名をうって開催された。。
100年記念だから、派手にやるのだな…と思っていたのだが、今年も全国大会となった。。
今まで各縣で開催されていたものを一つにして、この品評会を大きくしようとする意図が見える。。
この二つの理由から東方美人を今以上にブランド化していこうとする意図があると僕は見ている。
この烏龍茶が今以上に高騰し、一般の方が買いにくものになってしまわないか、そして品評会が度をすぎ、今以上に茶樹に負担がかかっていくのではないかと思う…
僕は台湾人ではないし、農家に養子にはいった訳でもない…
でも一農家で働く、農民としてこれはちょっと…と思ってしまう、お茶をお金のなる樹にしてしまうのは違うような気がする。。
出来の良いものに高値がつくのは当たり前のことだと思うが、違う人の意志によって本来とは違う方向から高騰するのには疑問を覚える。。
そして過度な品評会は茶の根本的な評価を間違った方向へ導きやすいものだと思っている。。
本当にどうなってしまうのか、何故農民の声が届かないのか、公的機関の意志だけで進んでいくのか…
前にも書いたが、第二の凍頂はいらないと思っている。
東方美人の価値が正統に評価され、適正な値段で市場に流れる環境を守るのも上の役目だと思うのだが、なんとなく最近の品評会の流れにはただただ心を痛めるばかりである。。