春茶は作る予定のなかった四季春を急遽製茶することになりました。

四季春は植えてからもう3年は経ち、製茶するには問題はありませんがまだ樹高が低い為に今回はかりとらず茶樹の生長を促す予定だったのですが…

何故か大先生が刈り取ってきて急遽作ることに…

烏龍の生葉

かなり完熟の葉、最高の素材です♪

葉はかなり完熟の状態。
このように熟した葉が一番のもので、これは製茶工程や使う機器を把握していればどの状態の葉が一番良いのかわかります。
言ってしまえば、この葉一つに対する意見でその方が烏龍という茶を理解しているかどうかがわかってしまいます。

まさかの不意打ちで四季春を製茶することになりましたが、撹拌までは大先生がやってくれ、僕と相方で殺青以降の作業をすることになりました。

殺青風景

殺青を担当する店主、香り、音、葉の感触、全てが大事になります

生葉を釜の中にいれ、炒っていく訳ですが、この作業中に香りの変化が凄く表れます。
主に香り、茶葉の音、手で触った感触…色々な方面で見ていきますが、僕が一番重点をおいているのは香り。
僕の中では入れてから香りが四段階程に変化していきます。

微妙に変わる香りを認識しつつ、釜から出すタイミングをみていきます。
この作業は5秒、10秒ずれるだけでかなりの差が出てきます。
そのタイミングを見逃さずに判断していくのがここでの僕の仕事です、熱風が顔にふきつける中微妙な変化を認識していきます。

四季春の茶葉

枝も目立ちますが、良い出来です

そしてその後、揉捻作業、乾燥へ。
今回の葉は熟して最高のものですが、かなり深くかったので枝部分も多く、かなりの苦労がありました。。

春茶の四季春の水色

香り味、とても立っています、出来上がりには満足です

写真は最終的なテイスティングですが…
やはり生葉の状態がかなり良いもので、作業自体も大きな失敗がなかった為香り味、とても濃いものになりました。

四季春という品種は摘採しようと思えば年に7度もとれ、収量も多い品種です。
それ故に多くの茶産地で大量に作られ、安く一般的な茶として出回っていますが、実は凄く個性があり、素晴らしい品種です。

ちゃんと手入れされた畑で熟した葉を使って丁寧に作られたものは市場においてほぼ出てきませんが、僕個人的な意見として…本当にもったいない扱いをされている品種だなと思っています。

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