夏茶4日目、昨日の午前中は前日夜からの雨の為茶葉が濡れていたので午後からの刈り取りになった。
雨の後で葉の水分量も多く、また濡れている葉もあったので一晩工場内で室内萎凋をし、今朝の朝8時から最終撹拌に入った。
殺青に入ったのは昼過ぎぐらいからだが、とにかく烏龍の難しさを改めて知る一日となった。
うちでは去年あたりから作業の効率化を図る為に、殺青機へ入れる茶葉の投入量を一定にしている。
一つ付け足すが、普通の台湾農家では、この投入量を一定にするのは当たり前の事で、うちがしていなかっただけである。
これは一定にしなくても茶葉の変化をちゃんと読めば問題はない!
逆を言えばそのくらい瞬時に判断できなければ烏龍農家は務まらないだろ!という大先生の無言のメッセージを前から感じていた。
しかし、大きな工場ではなく家族だけの人手の少ない農家である為、並行して色々な作業を行わないといけない、そうなるとやはり一定の量をいれ、目安の時間があり、その前後で微調整できた方が効率的だ。
しかし、今日の殺青はその目安の時間が途中からしっくりこなくなった。
前日から天候が悪く、いつもより葉の水分量が多いのは殺青機の中に手をいれてすぐに感じていたのだが、後からいれたものはまた違った印象を受ける。
殺青機に新しい葉を入れる度にかなりの差があり、こんな経験は初めてだったので戸惑いがあった。
たまたま昼間の殺青になったので大先生も起きており工場へ様子を見にきた。
そこで、殺青を見始め色々と説明と調整を受けた。
実は殺青機にいれる葉は大きな台車で4台程あったのだが、今いれてるもの以外の台車は隣の部屋に置いてあった、これはスペースの関係上いつものことだ。
殺青を始めるまで天気は雨が降ったりやんだり、それが始めてから急に晴れた。
そして殺青をしている部屋は先月の土砂崩れの関係で断線し換気扇がつけられない、その為、大きな扇風機を3台回していた、そして殺青機が2台回っている。
この事によって茶葉を待機している部屋と殺青をしている部屋の温度はだいぶ開きがあり、殺青待ちの茶葉の水分がその間にいっきに抜けていたのだ。
普段はそこまでずれることがないのだが、今回は元々天候が悪く茶葉の水分が若干多い状態のまま殺青に入ったのでその差が大きくでた。
いつも通りに殺青がいかなかった原因がここにある。
途中から修正をいれて無事にこなしたが、葉の水分量によっては少しの変化で大きな差が生まれる。
これが烏龍を製茶する上で難しく厄介で不安定な部分なのだが、逆に魅力であるともいえる。
前日からの天候不良、昼間の殺青など極端な条件だった為わかりやすく変化が見れ本当に貴重な体験、勉強が出来た。
しかし、自分の葉を読む力の不足さを改めて思い知らされる出来事で
「5年ぐらい勉強したからって調子にのるなよ!」と言われているような感じでした。
まだまだ勉強・観察が必要です。