当ブログでもシリーズ化(?)しつつあるバナナ関連の記事。
12月8日のバナナから烏龍茶を学ぶという記事で取り上げたバナナがつい先日、10日程たちようやく熟して食べ頃になったのでとりあげてみようと思います。

バナナ
刈り取ったばかりのものは張りもあり、色も青々しいのが見てわかりますよね?

熟したバナナ一方、10日程たったものは若干カメラの関係で色味はわかりづらいですが、黒い斑点も出始め、張りがないのがわかります。
ちょうど食べ頃になるまでに約10日を要しました。

過去の記事には取り上げていませんが夏場はこの半分4~5日ぐらいで食べ頃になります。

これが何に関係しているかわかるでしょうか?

熟すスピードを生葉で例えると萎凋し、発酵していくスピードに重ねられますよね?
その日の天候にも左右されますが、夏茶は刈り取ってから萎凋をし、殺青に入るまでに短い日だと約7~8時間、冬茶は12~15時間ぐらいを要します。
同一品種で、近い発酵度のものを作るにしても季節によって萎凋の進み方はだいぶ違うんですね。

実はこの熟すスピードが台湾茶の夏のお茶の評価を下げる一因にもなっています。
これは発酵が進むのが早いからいいお茶が出来ない!というわけではなく、葉の発酵が早すぎる為、茶師がその変化を捉えきれずついていけていないのです。

殺青までの時間を書きましたが、普通に考えるとそんなに時間があるんだ~!と思いがちですが…
この時間の間に数回の攪拌(簡単にいうとお茶を揺らし刺激することで葉内の水分、渋みを抜き出す作業)をいれていきます。
この攪拌、一番初めにしたものと最後にしたものでは時間の開きがだいぶあるんです。

ですから、一通り攪拌が終わった時に最初と最後を比べると葉の変化もだいぶ違うわけですね。
烏龍茶の製茶を進める時には全体の香りや葉の状態をみて決めていきますから、葉の状態に差があると茶師に迷いが生じます。
その間にも葉はどんどん変化していきますから、結局あいまいなまま作業が進むことが多くなります。

「製茶」の部分だけで考えると烏龍茶の味や香りはこの萎凋と攪拌の作業でほぼ決まるので、ここで的確に葉の状態を理解し、タイミングを捉えて作業できていないと渋みを抜け切れず、俗にいう「まずいお茶」になります。。

そしてほぼ9割以上の農家がこのような夏茶を作っているのが現状です、そうなると市場に出る大半のお茶もこのようなお茶なので「夏茶=まずい」となるわけです。。

夏のお茶は徒長して渋みも強いとよく言われますが、生葉の状況を完璧に捉えて萎凋と攪拌を進められていればちゃんと香りもたち、甘口のものになります。
そして若干渋みが残っても高い焙煎技術をもっていればこれを甘味に変えていくことができます。

唯一、葉の徒長だけはどうすることもできないので若干繊維質を感じ、その為に春茶や冬茶の極上品を越すことはほぼありませんが、一般的に言われるような各段に劣るということはまずありません。

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