本日は朝から萎凋をし製茶も早めに終わった。
相方が少しの間現場に入れないので大先生との作業が三日間ほど連続して続いた。
ここで勉強を始めてから5年が経つが大先生と二人だけで製茶をした回数というのは本当に限られる。
お客さんが来て製茶を体験したり色々な茶を作ったりする事があり、その時は一緒に作業をするが、それはまた家で自分達が作る時とは雰囲気が違ってくる。
お客さんが来ればやはり笑顔を絶やさないが、自分達のものと向き合っている時は真剣にお茶だけを見ている先生を見る事が出来る。
ここ一年半近くは農家に住み込みで畑から製茶まで全てを見ているが、色々な事がわかるにつれ、また新たな疑問も出てくる。
ちょうど夏茶の時期にも大先生と製茶作業をする機会があったのだが、その時に殺青から降ろすタイミングが僕と違う事に気がついた。
全てが違うという訳ではなく、一緒の時もあるし、若干早めの時もある。
これは同じ日の同じロットで違いがある訳ではなく、その日その日のロットで違うという意味です。
今回3日連続で大先生と製茶をしたがいずれに違うタイミングだった。
そして揉捻後の乾燥の仕方も全て違っていた。
夏茶でその違いについて気づいてから色々と自分の中で考えていたが、思っていた事は先生には聞かなかったがたぶん間違っていないと思う。
簡単に殺青と言っても
殺青で殺青が完了するパターン、完了しないパターンがあるということだ。
余談だがこのほかに完了しなかったパターンというのがある、しかしこれについては人間の意図するところと反した結果になるので失敗という事になる、うちではみかけた事はない。
思うに大先生は葉の状態などを見てそこから一番適している形、種類のお茶を決定し、それによって殺青を行っているのだろう。
僕は「殺青」という部分ばかりに目がいき、そこで完璧に熱を通していくには…と考えていたのだが、やはり今までの経験を通してまた改めて考えてみるとそれには無理がある。
季節や品種、同じものでも日ごとに全てが違う。
特に夏や秋などの葉が徒長し節間が長いものを見ると、こんなの絶対に殺青不良を起こすだろうと思うことが多々ある。
要は乾燥後の焙煎なども考えた上での殺青、そして乾燥したらほぼ茶として完成しているパターンの殺青になる。
このような細かい殺青パターンをお客さんに説明したりする事はない、する必要がないし、したらしたで恐らく他の工程や葉の状態など理解していないと間違いなく混乱を起こす、かえってややこしくなるだけだ。。
元々夏茶で引き上げる予定で秋茶の現場に入る予定もなかったのだが、色々な理由があり秋茶の現場に少しだけ入る事になった。
今回の殺青の件に関しては推測でこうなのだろう…と思っており、やはりそうなんだな…と確認できた。
最後にこのような形で確認できた事はこれはかなり運がよかったと思っている。