帰国が延び延びになり秋茶の途中までになってしまった訳だが…
今回は今年の秋茶について少し補足の説明をしようと思う。
以前のブログで夏茶から秋茶までの間がかなり短い日にちで到達したのはお知らせしたと思う。
その中で夏茶が終わった後に雨の降る日が多く、また夏の日差しで茶樹の生長が思ったよりも早かったのは伝えた。
しかし、大事な理由がもう一つある。
夏茶が終わり秋茶までの間が短かったとは言ったが、ブログをよく見ている方なら気づいた方もいるかもしれない…。
秋に刈り取っている茶葉は烏龍を作るのには若干早い葉だ。
普段なら芽が止まり、熟した葉が多いのだが、今回の秋茶は芽どまりをしていない所謂一芯二葉が目立つ。
では、熟した葉の方が良いのにもかかわらず何故若干早い段階で刈り取るのか?
やはりここが疑問だと思います。
理由は…冬茶に標準を合わせている為です。
冬茶後に冬片というものがとれる時もあるのだが、基本的に台湾の製茶の1年は冬茶で終わる。
12月~翌3月中旬過ぎぐらいまでは刈り取りがない。
もしこの秋茶で葉が熟すのを待っていたら今年の流れからいくと冬茶がとれなくなるかもしれないという可能性が出てくる。
台湾のお茶というのは春と冬が特に高値がつく、品種などによってこの季節ではないものが一番というものもあるのだが、このへんは農家だけの専門知識になってしまうので一般の市場ではなかなか理解できる人はいない…
となると…
秋茶をある程度早めにとって冬茶を確実に刈り取れるようにする!というのが通常の農家の考えになります。
今年の秋の葉が若干若いのはそのような事情があります。
1年全てのお茶をレベルの高いものに仕上げるというのは農家として究極の目標になるだろう、しかし実際に去年今年のような以上気象が続き、茶樹の生長や収穫が農歴通りに進まなかったりするとどこかで人間が微調整をいれてあげなければいけない。
それは今回のように若芽でも目をつぶらなければいけない事もあるし、逆に成長を我慢する事もある…。
ブログでは全てを書き切れないし、あえて書いていない部分もあるのだが、農家とは常にこのような問題と向き合って今だけでなく常に先先を考えているものなのです。。
既に台湾を離れた僕ですが、良い冬茶が収穫できる事を祈っています。