訳のわからない題名で申し訳ありません。
でも、これが烏龍茶です、笑。
烏龍茶を凄く簡単に言えといわれれば「生葉の酸化を促したお茶です」となるが、実際には作業中のプラスマイナス、差引というか状況に合わせた調整が非常に多い。
例えば、陽射しの強い日の日光萎凋は15分で切り上げたり、曇りの日は3時間以上萎凋をしたり。
撹拌も手で優しく何回かした後に攪拌機に1回入れたり、時によっては2回、しかも強さや回転数の微調整をしたり。
撹拌の間は静置といい、茶葉を室内で動かさずに置いておくのだが、この合間に雨がふれば温度や湿度が変わるので次の撹拌へ入る時間も微妙に長くなったり…
品種によって葉の厚さも違うのでそれに合わせた強さの撹拌や長さが求められる。
またここには当日の天候も絡み、茶の水分量も絡み…
といった具合に書き切れないほど細かく多くの判断が求められる。
この生葉の変化を止める殺青という作業の後は、日本茶と同じ原理があることはお世話になっている日本の方と話して変わらない部分なのだが…。
何回か書いてはいますが、上記のようなとにかく細かい微調整が多いのが僕が烏龍茶の工程には多くの不安定要素があると言っている所以です。
そして残念ながら、この多くの微調整をかけられない人が多いのも、台湾茶をはじめとする青茶類を作る農家の課題だと思っている。
去年から住込みで土いじりから製茶まで一貫して見ているおかげで烏龍茶を理論的に紐解いていくことは少しずつ出来てきていると自分でも思う。
作業中の微妙な差引も状況を考えて探っていくとなんとなくわかる部分も多くなってきた。
わからない部分も聞いてみると確かにその通りだなと思うことも多い。
しかし、その微調整する原因や意図がわかっても、どのくらいの感覚で調整していくのかその強弱の加減はやはりまだわからない。
ここは茶を読む力の欠如で明らかに自分の力不足な部分だが…
何百回、何千回と疑問と向き合いながら考え製茶して自分の中での経験上のデータがないとどうにもならない。
そしてそこまで出来ても今度は理論で片付かない感覚的な部分が恐らく出てくる…。
自分が台湾で勉強できる時間は限られている。
だから、出来るところまでやるしかないとは思っているが、大先生を見ているともし僕がこの先一生台湾にいて茶を作っても追いつくことはないだろうなぁ…と思ってしまう。
今年の春茶は生葉の状態は良いのだが製茶時に抜群の天候に恵まれた日がない。
だから、毎回かなり違う条件で作っているのだが…引き出しの数が多い。
圧倒的な製茶技術は勿論なのだが大先生はちょっとした湿度の変化や日によっての風向きの違い、葉の状態…もっと多くのこと。
たぶん全て頭の中に入っていてすぐに微調整が入る、ここ何日かずっと観察しているが、正直僕からしたら魔法にしか見えません(笑)。