日本への一時帰国もあと僅か。
そこで最近盛り上がっている和紅茶を取り上げてみたいと思います。
和紅茶の水色
和紅茶とは?
いわゆる日本で作られた紅茶を指します。
日本産の紅茶ということですね、ここ何年かでこの言葉をよく目にするようになりました。

さて、テイスティングする品種は静岡県で作られた香駿。
詳しくは蒼風(そうふう)、香駿(こうしゅん)、印雑131をご覧ください。

日本茶離れが進む中で最近夏のお茶を利用して作られるようになってきた和紅茶。
日本の紅茶と言えば日東紅茶が有名ですが、その殆どは台湾を統治していた時代に台湾国内で作られたものが殆どです。

日本国内でも昔から作られてはいましたがその量は緑茶に比べれば微々たる量。
紅茶を作るには高い温度と湿度が重要ですから台湾と日本で比べればどちらが適しているかは一目瞭然ですね。

この紅茶は夏にお茶農家さんから頂いたもの。
ですから、辛口のコメントは書きづらいのですが、見たまま味わったままの感想を書きます。

まず、茶葉の評価です。
香駿の和紅茶
見た通り、茶葉が粉々に砕けていますよね?
その中に煎茶のように長く形を成したものも混ざっています。

これは萎凋の時に水分が抜けすぎそのままの状態で茶葉を揉みこむ揉捻に入った為です。
茶葉の水分が多く抜けるとこのようにお茶の葉がバラバラに引きちぎれてしまいます。
おそらく製茶当日の湿度が足りなかったのではないでしょうか?
この際の解決策はいくつかありますが、ここはかなり専門的になるので割愛します。

味は烏龍茶の味が入っていますね。
これは萎凋時に攪拌という茶葉を揺らし刺激をし葉の水分を抜く作業を入れている為です。
温度や湿度の高い台湾やインドではこの作業は入りませんが、日本ぐらいの気候になるとこの作業を入れないと水分はうまく抜けないのかもしれませんね。
この烏龍茶の味に気づく方はあまりいませんが、味は確実に変わってきます。
僕が普段過ごす台湾の農家でもこの烏龍茶の味が入った紅茶は作った事があるので興味のある方はこちらをご覧ください。

そして味で気になるところがもう一つ。
少し青臭さがありますね、これは軽い乾燥を入れればだいぶ抜けるものですが、おそらく紅茶作りは試作段階だと思うので今後改善していけばいいでしょう。

かすかに甘口ではありますが、全体的に製茶作業のタイミングなどが少しずつずれた為悪い部分が出てしまったように思います。
ですが、和紅茶作りを初めて間もないと思われるのでここまで出来ているのは驚きですね。
もともと腕の良い方なので何回か作り試行錯誤していけばおいしいものが出来上がると思います。

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