日本へ帰国後、実家の静岡へ帰省し、少し長めの休みをとっていた。
そんな折、以前知り合いの方から紹介してもらい面識のあった丸子紅茶の村松二六さんからFBにメッセージを頂きました。
「今度皆で烏龍茶を作るので遊びに来ませんか?」との事だった。
誘われた時点ではまだ予定が未定だったのだが、せっかく声をかけて頂いた話、良い機会となるだろうと足を運ぶ事にした。

室内で揺青作業、ポイントを説明しながら
場所は静岡市の丸子(まりこ)、この地域には日本茶の世界では有名な多田元吉という方がインドなどから持ち帰った茶樹が植えられているという事で有名な場所でもある。
当日、実家を出て車で現地へ向かうと皆さんがもう集合しており、茶葉を畑から刈り取り、日光萎凋が始まっていた。
挨拶を済ませ、今日の段取りを聞いてビックリ…なんと僕が作ることになっていました。。。

急な展開で正直驚きましたが、そう声をかけて頂けるのは光栄な事です。
やりましょう!という事で生葉の様子を確かめる。
日本での烏龍茶作りはまだまだ始まったばかりであるから問題も色々と出てくる。
烏龍茶は熟した葉を主に使うが、品種によってその熟度も違う、少し早めに刈り取った方が良いものやそうでないもある。

正直、日本の品種で烏龍茶を作っていく事には課題が山積みだ。。
それでもやらなければ前へ進めないので、少しずつそのような課題をクリアーしていければきっと良いものが出来ると信じている。
まずは、茶葉の状態と当日の気温、湿度など様々なことを確認し、課題を伝えさせてもらった。
日光萎凋もその日によって変わるのが烏龍茶というものである。
今回はまずそこに少し改善点があり、その延長上で葉の水分の流れなどを説明していった。

本日作る品種はべにふうきともう一品種。
べにふうき参加した皆さんが手摘みをしたものでべにふうきはハサミで刈ったもの。
埼玉や東京からわざわざ来られた方、また台湾から烏龍茶の殺青機などを輸入し紹介している会社の方など様々な人が集まっている。
製茶を任されたからといって僕一人で作る訳ではない。
皆さんを交えて撹拌などをしていく、条件的に良いものを作るのは難しい状況ではあったけれど、葉内の水の流れだけはしっかりとさせようとそこに重点をおいて進めていった。
出来は、葉の状態や天気などをふまえ、このようになるだろうといったところに落ち着いた。
どうしても条件的に香りと味は薄くなるだろうと思っていたのだがその通り、ただ計算は出来ていたので良いと思う。
自分の中で課題にあげていた葉内の水のきり方には大きな問題がなかったので、参加して下さった皆様にも良い体験ができたと思います。

結果云々ではなく、このような場所で多くの方と知り合えた事や、製茶を通して色々とお話が出来た事は本当にありがたい事で、少しずつではありますが、このような機会をもつ事で、日本の烏龍茶作りと共に、日本茶、そして茶への関心が深まっていけば良いなぁと思った日でした。

 

 

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